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  • #G-PON

CASE 03導入事例3

運用管理システムの扱いやすさは、
サポート品質を左右する

統合管理システムで、
システム追加による
運用管理の負担低減を実現

株式会社
コミュニティネットワークセンター 様
㈱コミュニティネットワークセンター(以下CNCI)は、複数のケーブルテレビ会社を統括して運営する会社として2008年7月1日に設立されました。東海エリアの11のグループ会社を含め、東海エリアの様々なケーブルテレビ会社にコンテンツや放送・インターネットシステム、各種管理システムの統合やコールセンター代行などのサービスを提供しています。地域の人々に喜ばれるサービスを提供できるよう、それぞれの地域特性を背景に持つケーブルテレビ各社と連携しながら、地域社会に貢献しています。

INTRODUCTION- BACKGROUND

㈱コミュニティネット
ワークセンター
技術本部
基盤通信グループ
グループ長
原田 昭生 様
㈱コミュニティネット
ワークセンター
技術本部
基盤通信グループ
リーダー
前田 祐幹 様
㈱コミュニティネット
ワークセンター
技術本部
基盤通信グループ
リーダー
川口 善則 様

導入の背景

CNCIグループでは、「テレビ」「インターネット」「電話」「高速無線ネットワーク」のサービスを中心に、地域に密着して事業の発展と拡大していくことを目指し、HFC(DOCSIS)方式によるケーブルインターネットサービスを提供していました。しかしながら、動画配信サービスやSNSが普及するにつれ、速度など、性能面で見劣りするようになってきており、インターネットサービスは中心的なサービスの位置づけであることから、CNCIグループにおいてもより魅力的なサービス内容を提供できるFTTH(PON)方式によるインターネットサービスが検討されました。
FTTHでよく使われる仕様としては、国内ではGE-PON仕様によるFTTHサービスが主流でしたが、市街地の集合住宅への対応のため、GE-PON仕様よりさらに高速なサービス提供が可能となるG-PON仕様によるFTTHサービスも検討することになりました。しかしながら、G-PON仕様のシステムを提供可能なメーカーのほとんどが海外企業であり、日本での採用も少なかったことから、端末のプロビジョニング、システムの運用支援を行うために必要な運用管理システムなども日本語化されておらず、また加入者情報管理システムなど、既存の管理システムとの連携用インタフェースを持たないなど、導入するためには課題がありました。

  • 競争力のあるインターネットサービスとして、FTTHサービスは必要であった
  • GE-PON仕様が主流だったが、差別化のためにG-PON仕様を検討する必要があった
  • 海外製品の調達にあたり、日本でサポートできる体制が必要であった
  • G-PON仕様の管理システムの日本語化、他の管理システムとの連携が必要であった

G-PON仕様のシステムを
導入するために、
運用管理システムを
改善できないだろうか?

ケーブルテレビに知見の深い
システムインテグレータを選定

海外メーカー製品を取り扱うこと自体に問題はありませんでしたが、既存の運用管理システムなどへの対応や他サービスとの混在を考えると、ソフト開発能力を持ち、国内のケーブルテレビに知見の深いシステムインテグレータに商流に入ってもらうことが現実的でした。
そのような折り、以前から取引のあったシンクレイヤさんから自社開発された「統合管理システム」の紹介がありました。また、集合住宅構内がFTTH(PON)方式で提供できない場合、D-CMTS方式で提供を可能とするソリューションもあったことから、G-PON仕様のシステムと日本語化されたプロビジョニングシステムの提案ができないか相談をさせていただきました。
提案当時、「統合管理システム」にはG-PON仕様に対応したモジュール(プログラム)がまだ準備されていなかったため、これを機会に開発を検討いただけることになりました。CNCIグループにてプロビジョニングシステムの共同利用を推進しておりますが、「統合管理システム」のサービスを提供する立場にあることから、その運用に関する要件について協議を重ねさせていただき、仕様を決めていきました。

「統合管理システム」で
課題をクリアし、
2局がG-PON仕様の
システムを採用

要件定義に沿って新開発された「GPONモジュール」は、日本語化され、また加入者情報管理システムなどとも連携が取れるため、運用管理担当者の作業性を損ねることはありませんでした。また、管理システムとの連携やGE-PON仕様のシステムのオペレーションとの差異を小さくするなど、柔軟なカスタマイズがされました。

これにより、海外製品の課題であった使い勝手の点が改善され、CNCIグループではスターキャット・ケーブルネットワーク㈱とグリーンシティケーブルテレビ㈱の2社がG-PON仕様によるFTTHサービスを開始することになりました。GE-PON仕様によるFTTHサービスが主流でしたので、G-PON仕様の2Gbpsサービスは競争力もあり、差別化を図れる結果となりました。

「統合管理システム」の有効性

「統合管理システム」は冗長化して設置しており、日常的にはグループ各社で使用しますが、運用において何か問い合わせがあった際には当社からもアクセス、および状況を分析し、支援を行うといった形で運用しています。柔軟なユーザー検索やグラフによる可視化などの機能もあり、不具合の切り分けがしやすいところも良い点となっています。
また、グループ各社の設備規模もまちまちなので、システム自身を柔軟にカスタマイズでき、操作性、いわゆるユーザインタフェースも考慮されている「統合管理システム」は担当者の負担を下げる効果もあるのではないかと考えています。
そして運用をしている中で見つかる改善点などにも対応し、ブラッシュアップをし続けられるのも、ソフト開発機能をもつ国内システムインテグレータならではだと思います。

OUTRO
まとめ

「統合管理システム」はモジュール構成であり、ユーザインタフェースが変わらないことや、必要なモジュールだけでスタートできるところが良い点です。
一方、現在の仕様では、グループ会社ごとにシステム的に分離して運用し、サービスを提供する必要があります。今後は、グループ会社ごとにシステムを分離するのではなく、複数会社でシステムを共用できるようになると、システム領域や消費電力などリソースの低減にもつながるのでぜひ検討をお願いしたいと考えています。この仕組みであれば、例えばクラウドでの複数事業者による利用も可能となり、規模の大きくないケーブルテレビ事業者にとってもより導入しやすくなるのではないでしょうか。

また、今後もモジュール開発は継続されるとのことですので、加入者から問い合わせの多い「インターネットにつながらない」や、「Wi-Fiがよく切れる」など、問い合わせから状況が把握しづらい事象に関して、リモートで端末の状況を把握するためのモジュールを新たに開発いただければと考えています。これらの問い合わせには、加入者宅での調査を必要とするものもあるため、お客様に多大な時間を頂戴する場合もあります。そこで、調査の前準備として、リモートである程度状況を把握できるモジュールを開発いただければ、加入者宅での調査時間を短縮できる非常に有効なツールになっていくのではないかと考えています。

インターネットは日々進化しており、サービスも多様化し、高速性が常に要求されるものです。CNCIグループでは、e-SPORTSやVRなど高速/低遅延が要求されるコンテンツが今後も増えると考えていて、採用するシステムについては将来性も重視しています。加入者の様々な要求に応えられるサービス作りをしていきたいと考えています。

取材協力

株式会社コミュニティネットワークセンター
〒461-0005
愛知県名古屋市東区東桜一丁目3番10号
東桜第一ビル10階
webサイト:https://www.cnci.co.jp/

当該記事の内容は取材当時のものです。(2022年5月取材)