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CASE 05導入事例5

IP告知放送からFM告知放送へ
リプレイス?

FM告知放送と
域内IP電話を分離して
構築するメリットとは

兵庫県洲本市
淡路島の中央部に位置する洲本市は、その温暖な気候を生かし、玉ねぎをはじめとしたさまざまな農作物を栽培するほか、淡路ビーフなどの素牛の一大産地でもあるなど、特産品は多岐にわたります。
また豊かな自然環境でありながら、阪神間とは約2時間、関東圏とは最短3時間のアクセスの良さを生かし、都市と田舎の良いところを併せ持つ「トカイナカ」として、人と自然が共生する健やかで安心できるまちづくりを進めています。

INTRODUCTION- BACKGROUND

洲本市役所
企画情報部
広報情報課
係長
畑 光次 様
日本電通㈱
アドバンスト
テクノロジー事業部
インフラソリューション
サービス部
エンジニアグループ
マネージャー
井上 茂保 様
NTT
ビジネスソリューションズ㈱
兵庫ビジネス営業部
バリュービジネス
推進担当
主査
神崎 伸二 様

導入の背景

洲本市のケーブルテレビを用いてIP方式による告知放送サービスを住民に提供しておりましたが、このIP告知放送システムのサポート終了案内がメーカーからあり、それに代わるシステムの構築が必要となりました。さらに、このシステムをベースとして「域内IP電話」と「インターネットサービス」も合わせて提供していたため、これらも同時に置き換える必要がありました。
しかし、既設と同様のIP方式による告知放送システムでは構築コストが膨らむため、別の方式も含めて模索することになりました。

また、洲本市ではケーブルテレビの加入申し込み時に、「テレビ」「域内IP電話」「インターネット」の各サービスそれぞれについて選択していただきますが、IP告知放送システムはその仕組み上、テレビサービスのみの住民宅には設置できず、告知放送の最も重要としている緊急放送の提供ができませんでした。告知放送サービスの目的上、より多くの住民宅へ設置できることが望ましいため、今回の再構築を機に、全加入世帯にサービス提供ができる方式を検討することになりました。

  • メーカーサポートの終了に伴い、告知放送システムの再構築が必要となった
  • IP方式による告知放送システムの再構築はコストが膨らみ、難しかった
  • 域内IP電話及びインターネットサービスは継続する必要があった
  • テレビサービス単独加入者にも告知放送サービスを拡大したかった

システムの再構築コストを抑えつつ、
かつ告知放送サービスの対象世帯を増やすことはできないだろうか?

FM告知放送システム+
汎用VoIPシステム
という選択肢

IP告知放送システムに代わるものとして「FM告知放送システム」というものがあることを日本電通㈱さんからご紹介を受けました。IP告知放送システムと比較し、センター設備や加入者宅内端末が低コストなうえ、「FM波」を用いるアナログ方式のため、課題であった「テレビサービス単独加入者」にも告知放送サービスを提供できることが分かりました。これは大きな利点でした。

しかし、FM方式の告知放送システムでは、域内IP電話とインターネットサービスをカバーすることができません。この課題についてはNTTビジネスソリューションズ㈱さんから「大手メーカー製ではなく、汎用のSIPサーバとVoIP-TAを組み合わせてコストを大幅に抑制すれば、FM告知放送システムと分けて構築してもコストメリットがあるのでは」とのご提案を受けました。

こうして方向性がまとまってきたため、「FM告知放送システム」のベンダーとして経験豊富なシンクレイヤさんにも加わってもらい、本格的な検討に入ることになりました。

シンクレイヤが提案する
一般的なFM告知放送システムの概要図
※洲本市のシステム構成とは異なります。

「域内IP電話の
プロビジョニングシステム」を
どうするか

域内IP電話を汎用のSIPサーバとVoIP-TAを組み合わせで再構築することは決まりましたが、それを実現するためには解決しなくてはならない課題がありました。それが「プロビジョニングシステム(サービスが利用できるように端末設定を自動化するためのしくみ)」です。メーカー製のVoIPシステムであれば、専用のプロビジョニングシステムがあり、またVoIPシステムの動作も保証されるのですが、汎用品を組み合わせたVoIPシステムではそうはいきません。
SIPサーバもVoIP-TAも異なるメーカーの汎用製品です。これらを組み合わせて実際に稼働させた事例を調べましたが、洲本市の構築規模でこちらが要求するプロビジョニングの事例を見つけることができませんでした。
そこで「プロビジョニングシステム」を準備する手段を検討することになりました。

「プロビジョニングシステム」を
シンクレイヤが開発

「プロビジョニングシステム」の課題解決に向けて、一つの可能性が示されました。それは、シンクレイヤさんが自社開発された「DOCSISシステム(ケーブルモデムを用いた通信システム)」用のプロビジョニングシステムの流用です。もちろんそのまま使えるわけではありませんが、多数のDOCSISシステムの導入実績で得たノウハウを活かし、今回のVoIPシステム用にカスタマイズできないか検討してもらうことになりました。

こうして、日本電通さんやNTTビジネスソリューションズさん、そしてシンクレイヤの技術担当の方に仕様検討や試験を繰り返していただいた結果、晴れてプロビジョニングシステムが完成しました。大きな課題の一つが解決に至り、今回の再構築におけるすべての要素が揃うことになりました。

余談ですが、NTTビジネスソリューションズの神崎さんのお話によると、このような汎用のSIPサーバとVoIP-TAを組み合わせた大規模な域内電話サービスの提供は他に類を見ないサービスで、国内初かもしれないとのことでした。

リプレイス後のシステム構成

新型コロナ禍の中での
設備更新

2020年7月、「洲本市CATV施設更新及びFM告知端末整備工事」として着工となり、センター設備の構築から加入者宅内の工事へと進めていったわけですが、2020年はご存じのとおり新型コロナが世界的な感染拡大をはじめた年でもありました。様々な制限がある中での工事とはなりましたが、住民の方々にもご理解をいただき、また感染拡大防止策を講じながら工事を進めてまいりました。
その後、世界的な半導体不足なども起こりましたが、それよりも前にスタートを切れておりましたので、影響はほとんど受けずに進められたことは幸運でした。

また、システムの再構築中は一時的に既設のIP告知放送システムと新設の「FM告知放送システム」が共存する状態となるのですが、予めセンター側で連動させる仕組みを構築していただいたので、運用が複雑にならずに済みました。

FM告知放送システム
センター装置
プロビジョニング
システムに
よる運用管理
導入したFM告知放送端末
AFM-610C
OUTRO
まとめ

旧システムのサポート終了に端を発した今回の事業ですが、結果として告知放送端末の設置世帯数を増やすことができ、大変満足しています。2023年1月末現在、対象世帯への告知放送端末設置率は、67%から93%へと拡大しました。屋外拡声器と組み合わせ、これまで以上に多くの住民の方々に行政情報や地域のお知らせ、そして自然災害に対する注意喚起や情報提供などができるようになりました。実際に住民の方々からも好評をいただいております。
合わせて、域内IP電話やインターネットサービスも新しい仕組みで継続することができました。

導入にあたっては、その条件から様々な課題に直面する場面もございましたが、今回仕事を引き受けてくださった各社が、アイデアや技術ノウハウを交換し合いながら解決してくださいました。大変感謝しております。

今後も地域住民の方々が安心・安全に生活できる町づくりを目指した、各種行政サービスの提供に努めてまいりたいと思います。

取材協力

兵庫県洲本市
〒656-8686 兵庫県洲本市本町三丁目4番10号
webサイト:https://www.city.sumoto.lg.jp/

日本電通株式会社
〒552-0003 大阪市港区磯路2丁目21番1号
webサイト:https://www.ndknet.co.jp/

NTTビジネスソリューションズ株式会社兵庫ビジネス営業部 バリュービジネス推進担当
〒650-0024 神戸市中央区海岸通11
webサイト:https://www.nttbizsol.jp/

当該記事の内容は取材当時のものです。(2023年2月取材)

写真提供:洲本市